同じ時代を生きる人が描いて…

芸術は爆発だなどの文字通り爆発的なことばで日本に現代芸術時代の到来を実感させた岡本太郎さえ、今年で生誕百周年。現代と呼ばれる時間の一点は、岡本太郎からもすでに先に進んでいて、今日わたしたちが生きているこの日この時こそが真の「現代」なのかも知れないなどという、わかったようなわからないような議論も飛び出してくるのが「現代」なのでしょうか。

ディア・レインドロップの筆遣いの中に、形式に囚われない明るさとグロさが共存していて、不思議なくらい観る人の心を引いています。だいたい20世紀の幕開けとともに近代美術と現代美術との線引きがあるとされていますが、20世紀に入っても、真ん中に大きな戦争が横たわっていて、ピカソなどはその歴史に振り回されました。軍需産業的な意味では生産性がないとされていた芸術家にとっては、戦争は実に悲しげな人間の心の眼を描くのに、残念だけれどちょうどよい機会になりました。ピカソに限らず、戦争体験を経たアーティストたちの作品が叫びとともに投げかける問いを、ディア・レインドロップも受け止めながら描いているのでしょうか。